家族間で感染する歯周病

親子間・夫婦間で歯周病菌は感染します

歯周病菌は、親子の間や、夫婦の間での感染があるということがわかっています。2歳から12歳までの子供の歯ぐきの状態と歯垢を調べた研究の結果、全体の約80%に歯肉炎、もしくは歯周炎がみられ、全体の約3割の乳歯時期の子供でも歯周病菌が検出され、すでに歯周病菌に感染している子供がいることがわかりました。また、特定の種類の歯周病菌は、年齢や歯ぐきの状態に関わらず、全員に検出されたという報告がされています。

家族を歯周病菌の感染から守るために

家族の歯周病菌の構成を調べてみると、夫婦の間では同じような歯周病菌が見られることが多く、このことから、家族間で歯周病菌が感染し合っていることが分かります。歯周病の治療に取り組んでも、家族間で感染し合っていては元も子もありません。大切な家族を歯周病から守るためには、家族みんなで歯科医院を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。

生まれてくる赤ちゃんを歯周病から守る

歯周病がお腹の赤ちゃんの健康に影響を及ぼす危険性について注目されています。歯周病と「早産」や「低体重児出産」関連の報告が数多くされています。歯周病菌が体内に入り込み、血液で運ばれ羊水の中に入ると、免疫細胞は赤ちゃんを守るために歯周病菌を攻撃しますが、同時に活性物質が放出されます。それが子宮の内部で胎児の羊膜を傷つけて早産につながるという仮説があります。また、そうした活性物質は子宮の収縮を促して陣痛を早めるという仮説です。ノースカロライナ大学の研究によると、歯周病のない妊婦の早産率は6%ですが、歯周病がある妊婦では43%となったということです。歯周病のあるお母さんから生まれる子供が早産や低体重になるリスクは、歯周病のないお母さんの場合と比較して、約7倍になるのです。